去る4月13日、満開の桜が境内を彩る中、桜川歌壇の会(代表黒田青磁さん)の定例歌会が行われました。兼題は「桜」で、下記の通り多くの素晴らしい作品が作られました。
写真は、当山住職と共に本坊にて撮影したものです。
特攻の名の刻まれし燈篭に白い桜(はな)びらはらはらと散る 平塚節子
新しい生徒を迎え若さくら頬さするがに枝垂れて咲けり 中原すみ子
ふくらみし蕾のままにわが庭の桜は根こそぎ風に倒さる 田沼むめ
春冷えに甘茶祭りに開花せぬ祭り託(かこ)つけ花より団子 篠崎貞之
満開のさくらの間(あはひ)に空青きこのひとときの息深く吸ふ 中島龍子
初さくら凛と開きし公園に安らぐ空を見あげていたり 中澤一紅
仁王門満開さくらに飾られし古き名所を今も守りて 佐藤悦子
桜川の由来は識らじ万葉の瀬音かそかにかそかに聴こゆ 島 杜桃
雨引の境内のなか八重桜明日も匂うか香り漂う 榎戸栄子
下校路に大人のひとに見守られランドセルには花びら散りぬ 篠崎洋子
きこしめす灘の名酒やさくら花百薬の長木下(こした)の宴 竹川浩
ことさらに落花寄り来る十名の戦死者刻む村の忠魂碑 黒田青磁